かっこいいよねっていう話

 

今日は今までの戦いに一旦区切り(仮)が付いた日だった。

 

まあそれはさておき、私はアクアフレッシュを偏愛している。

アクアフレッシュ。

あの赤と青と白のストライプの歯磨き粉。アクアフレッシュとの出会いは私が幼稚園児の時だ。親の仕事の都合で少しだけ欧州に住んでいた時、私は初めてアクアフレッシュと出会った。それまで白い歯磨き粉しか知らなかった私は、三色ストライプの歯磨き粉に凄まじい感動を得た。「こ、これが海外のオシャンティーな歯磨き粉…!」と子供ながらにカルチャーショックを受けた。色が白だけじゃない…?何か知らんけどチューブの中に三色混じらずに入っとる。どういう事やこれはどうなっとんのや。と考えたかまでは流石に覚えていないが、三つ子の魂百まで、どうせ幼稚園児の私もこんな事を考えたに違いない。そして「海外=何か取りあえずスゲーかっこいい」という幼い私の脳内方程式により、アクアフレッシュはかっこいい歯磨き粉にカテゴライズされた。それきりアクアフレッシュは私にとってモスト・かっこいい歯磨き粉なのである。

日本でもアクアフレッシュが売られていると気付いたのは、小学生の時だったと思う。アクアフレッシュが日本でも売られてるだとぅ!?お父さんお母さんアクアフレッシュだよ買おうよかっこいいよといくら提案しても、親はアクアフレッシュは少し高いという理由で買ってはくれない。それに我が家はお小遣い制ではなかったのでアクアフレッシュを買うお金もない。大学に進学するまで私は単一色の歯磨き粉を真顔で使い続けた。

で、大学に進学した訳である。一人暮らしが始まる時、最初に買った歯磨き粉は勿論アクアフレッシュ。アクアフレッシュとの蜜月。アクアフレッシュ最高かよ…ストライプがある…ストライプが…歯磨き粉にストライプが…オイ…最高じゃねえか…どうなってんだ全く…オイオイオイ…すげえなオイ…。迫りくるボキャブラリーの貧困!日本の若者よどうなる!?みたいな表現で申し訳ないのだが、これ以上の表現は出来ない。この表現が当時の心持ちを本当に的確に表現しているからだ。

 

だが、そんなアクアフレッシュとの蜜月は長くは続かなかった。第三者の介入が起こったからである。例えば兄弟、例えば友人、例えば恋人、何でもよい、とにかく第三者の介入で私とアクアフレッシュの蜜月は儚く終わりを告げるのである。どゆことって、第三者は、なるべく内部のストライプ柄を崩さないようにチューブを端っこからそっと押してた私の苦労を容易く葬り去りやがるのだ。つまり、チューブの端から丁寧に押すのではなく、無造作にチューブのど真ん中に指を押し付け、歯磨き粉を押し出すのだ。もうアレをやられたらダメ。アレをやられたら終わり。ジ・エンド。アウト。最後の審判起こるでしかし。天使が終わりのラッパ吹くで。いやさ、あのねー、あれやられたらさあ、ストライプがさぁ、なくなるの!分かる!?中で歯磨き粉が混ざるわけ!結果何かよく分かんない色になっちゃうわけ!アクアフレッシュの何が良いってあの素敵ストライプだろ!トリコロールなストライプが最高なんだろ!?それを失くすってほんと何を考えてんのかマジで分かんないし普通ちょっと考えたら分かるだろふざけてんのかいい加減にしろ!!とは第三者に言う事は出来ない勇気の徳なきわたしであるので、黙って既に損なわれてしまったアクアフレッシュを見つめるしか出来ない。凄まじい哀しさと怒りとストレスが生じる。アレほんと人道に反する罪だわ…何なのほんとに…アクアフレッシュ…好きだ…マジで好きだ…結婚してくれ…一緒に四畳半に住もう…一緒に銭湯に行って私が出てくるのを待っていてすっかり冷えたアクアフレッシュの肩を抱きたい…アクアフレッシュの華奢に見えて実は豊満なナイスバデーな身体を…こう…グッと…押したら…アクアフレッシュの中身がアークアフレーーーーエイシュ。エイシャア。なんかもう疲れたので寝ます。