前夜

 

 

偶にはブログらしいブログを書こうと思うので書きます。珍しいなあ。

 

今日(というか昨日だが)は、9時くらいに起床した。起きて緑茶をグビグビ飲んでから、めんどくさいという気持ちに負けずに化粧をした。最近化粧が面倒くさすぎてマスクで誤魔化しているのでよくない、という反省を込めて比較的丁寧に化粧をした。寒い中そこら辺にかかっていた服に着替えて、ふと気付けば黒いセーターに黒いスカートに黒いコート(しかも履くヒールも黒)というヤバい恰好になっていたので、明るい色のマフラーとイヤリングを付けた。応急処置だ。どうにかなったので10時前に家を出た。まあまあ寒い。

テクテクと歩いて駅に至る。適当にやってきた電車に乗って街の駅まで行く。目の前には幸せそうな家族連れと恋人たちがいた。手を繋ぐカップル、ソワソワしているおしゃれをした幼稚園くらいの女の子、その女の子の話をニコニコしながら聞く母親らしき女性。そんな幸せな光景を目の前にして、あ、今日クリスマス・イブだわという事実を噛み締める。噛み締めれば噛み締めるほど良い味がする。いい感じだ。

街はクリスマス・イブに完全に染まってはしゃぎきっていた。普段の街は無機質で巨大機械のような顔をしている癖に、今日は生の喜びに染まっている。なんだこれは、クリスマスやばいなあ、あ。クリスマスといえば私一応キリスト教徒だったわ、という事で道ですれ違うカップル全員に脳内で「産めよ増えよ地に満ちよ…」と囁くという人によってはかなり趣味の悪い遊びをしていたら美容院に着いていた。流石に何度か行っているので迷わなかった。

店長さんは相変わらず元気そうだった。髪の毛伸びるとやっぱり雰囲気全然変わりますね、と言われてそんなもんかあと思う。自分ではよく分からないが雰囲気が違うらしいよ。髪型等に関してはプロに任せるのが一番という信念があるので、提案してくれた案にそのまま乗っかる。髪の毛を少し切られて、パーマ的なアレをされる。髪の毛を巻いた時の髪型が完全にカントだったので笑いをこらえるのが大変だった。出してもらった手作りの生チョコが最高においしかった。最高。

カーラーを取られてカントからマイケル・ジャクソンになった。次に髪の毛を黒くして、超凄いトリートメントをしてもらい(スチームが気持ちよかった)、髪の毛を乾かしたら、『ガラスの仮面』の月影先生になってた。カント→マイコー月影先生という変容を二時間の間に遂げ、私はマヤを探すために街に繰り出した。

本屋などに行き、買いたかった本などを買って、しばしば行く喫茶店でコーヒーを飲んで、帰途につく。人ごみに暫くいると本当に疲れてしまう存在者なので、その時点でかなりぐったりしていた。疲れのせいで、いつもは酔わないのに電車に酔った。気分が悪くて生あくびばかりしていた。この街にマヤはいないようだった。

最寄りの地下鉄の階段を上っていると、ふと雨に濡れた地面の香りがした。きっと雨が降ってるなあと思いながら地上に出ると、果たして激しい雨が降っていた。傘は持っていない。

近くのコンビニまで早歩きで到達して、そこで傘を買って一人テクテク歩く。生温い雫が額を滑り落ちるのが少し不快だけれど、激しい雨に見舞われたクリスマス・イブの午後もいいじゃないかと思った。酔いのせいで気分は悪いが、気持ちはとてもよかった。家の近くでシャンプーとコンディショナーの入った紙袋が雨に濡れて崩壊し、雨に濡れた道を転がっていくめちゃくちゃ高いシャンプーとコンディショナー(それぞれ3200円ですよ、信じられない)に絶望したのはまた別の話だ。

街にひしめく人たちがみんな幸せそうで、よかった。